あなたの家はホームですか?アウェイですか?
どこにいて、何をしているときに一番安心感が得られますか?
大抵の人は自宅、もしくは自分専用のスペースで気兼ねなく過ごすときだと答えるかもしれません。
もしくは、リラックスして愛する人の傍にいるときなどでしょうか。
幼い子どもにとって、家というのは一番安全で、自分の命が育まれる場所で、無条件で愛される場所で、自分の存在を認識できる場所。
周りの大人から守られることを必要とする存在が、安心して過ごせるスペースがあることが、まず何よりも大事だということ。
ときどきいらっしゃるのが、「家にいてもなんか落ち着かない」「どこにも居場所がない」と訴えるお子さんと、「何度同じことを注意しても全然親の言うことを聞かない」「自分の好きなことばかりやっていてイライラする」と訴える親御さん。
とりあえずここでは、大人の方が読まれることを考慮して、親御さんに向けて書いていきますね。
まず、朝からイライラしてしまいがちな方は、感情のコントロールについて学ばれるとよいと思います。
たとえば・・・
あなたが爽やかに会社に出社したとして、朝からずっとイライラモードの上司が同じ会社の中にいて、用も無いのに自分の机の周囲をうろうろされて監視されている気分に陥ったり、何か上司の気に入らないことが起きると、なぜか自分にまで冷たい視線が飛んできたり・・・予定通りに特に問題なく報告を行ったにもかかわらず、「そういえば・・・」と全く関係のない過去の話(ミス)を蒸し返されて、「だからあなたは・・・」という言い回しをされたりしたら、どう思います?
この上司のように、周囲に対してあからさまに「不満だらけ」な対応をする人がいると、周りの人は居心地が悪いし、とても迷惑ですよね。
たとえばもっと言うならば、
もしもあなたが会社で順調に昇進して部下をまとめるポジションになったにもかかわらず、
「今以上にもっと頑張らないと、あなたがここでやっていくのは無理だから」
「あなたが認められるなんて、何か卑怯な手でも使ったの?」
「このままだと後輩にすぐに追い越されるに決まってる。頑張っても無駄。」などという否定的な言葉を投げかけてくる同僚や上司がいたとしたら、あなたはこの会社の利益のために長く貢献したいと思えますか?
会社ならば、パワハラやモラハラで訴えることもできるでしょうし、自分の意思で辞めることだって可能です。
しかしこれが、もしもあなたの家庭で起きているとするならば、あなたはどう感じられますか?
たとえば・・・
あなたが朝、スッキリ目が覚めたとして、寝起きからずっとイライラモードの家族が同じ家の中にいて、用も無いのに自分の周りをうろうろされて監視されている気分に陥ったり、何かその家族に気に入らないことがあると、自分にまで冷たい視線が飛んできたり・・・今日の出来事についてたわいない話をしたら、全く関係のない過去の話(ミス)を蒸し返されて、「こうだからあなたは・・・」と批判的な言い方をされたり。
もっと言うと、
「今以上にもっと頑張らないと、今後どうなっても知らないからね」
「たまには良いことしてくれるのね、何か後ろめたいことでもあるの?」
「あなたが普段してくれないことをしてくれるなんて、雨でも降るんじゃない(笑)」
「〇〇さんのところは、あんなにうまくやっているのに、どうしてあなたにはできないの?なぜやろうとしないの?」などという否定的な言葉を投げかける家族や親族がいたら、あなたはこの家族の幸せのために、長く貢献したいと思いますか?
そもそもこんな風に、口を開けば嫌みか不満ばかりな人の幸せを、心から願えますか?
夫婦ならば、自分の意思で離婚なり別居を選ぶことだってできるでしょう。
ある程度の年齢で自立できるのであれば、こういった人たちとは関わらないようにすることも可能です。
しかし、自分の力では生計を立てることもできない子どもたちは、どんなにしんどいことを言われ続けても、どんなに感情をぶつけられても、どんな酷い扱いを受けても、生きていくために、そこから逃げ出すという選択はなかなかできないのが現状です。
「どこにいても居心地が悪い」というのが、生きていて一番しんどいのではないかなと思います。
あなたが安心できる居場所は、きちんと確保できていますか?
あなたは、あなたの家族にとって、居心地の良い存在でしょうか?
他人への不満は解消されることなどない
当たり前ですが、他人と自分とは全くの別人です。
価値観も、モノの捉え方も、感じ方も考え方も全く違う、自分とは別の存在です。
いくら自分から見て「部下」・「子ども」であるとはいえ、全て自分の思い通りに動かすことなど不可能なことです。
他人は「思い通りに動かしたい」にもかかわらず、そういう方に限って「他人の言うことを全く聞かないタイプ」だったりすることは、良くある話ですけれど・・・。
こういった方の考え方の傾向として、
「自分は絶対に間違っていない」
「周囲が不甲斐ないせいで、自分は不要な被害を被っている」
「悪いのは周囲の人間であり、考えや態度を改めるべきなのも周囲の人間である」
といったモノが挙げられます。
しかしいくらこんなことを考えていても、相手も周囲も何も変わらないですし、ストレスが溜まるばかりだということです。
ストレスが溜まって緊張状態が続くと、身体も心もカチコチに凝り固まって、柔軟な考え方や正常な判断力、健康まで損なわれてしまうことも考えられます。
こんな風に考え続けたって、何も良いことなど期待できませんので、できれば他人への不満は持たないことをおススメします。
そのイライラは、本当に相手に対するものですか?
「じゃあ、今現在のあの人へのイライラはどうしたら解消できるのよ?」という質問が飛んできそうですが、一旦その言葉(自分は絶対に間違ってない!等)を捨てて、じっくり今の状況を、客観的な視点で考えてみることです。
「私に何か変えられるポイントないかしら?機嫌よく過ごすために、変えられる習慣はないかしら?」
「相手に何をされても、何を言われても嫌な感じにしか受け取れない自分にも悪い点があるのかも?」
「すぐに悲観的になってしまう私にも、至らない点があるのではないかな?」
あなたの考え方や態度、行動が変われば、相手の態度や行動の捉え方も変わるので、これまでのように余計なことでイラつくことは少なくなるでしょう。
もしかすると、あなたが変わることで、周囲のあなたへの印象も変わり、対応も変化するかもしれません。
ちなみに、もうひとつ付け加えるとするならば・・・
他人へのイライラは、「自分が思い通りに生きていないことへのイライラ」だったりすることもあります。
「こいつのせいで私は自由に生きられない」←それって本当ですか?
今の状況は、わざわざあなたが自分で選んで味わっている世界であるということをお忘れなく。
登場人物も、何かが起きたときの自分の反応でさえも、自分で選んで生きているのですから。
相手には相手の事情もあるわけですから、思いがけずイライラを押し付けられた方は、たまったものではありません。
もしもあなたが思うとおりにやらなかったことで相手が失敗したとしても、それは相手の自己責任です。
人は失敗しないと学べないこともあるのですから。一度忠告したら成長のチャンスを与えているのだと思って、気が済むまで(気がつくまで)やらせてみることです。
自分のことは自己責任であなたが決めて構わないことですが、自分以外の人のことを、あなたが勝手に決めることはできません。
自分のことを自分で評価することは構いませんが、他人のことを正しいとか間違っているとか、あなたが勝手に評価することはできません。何が正しいか間違っているか決めるのも、その人の自己責任だからです。
あなたができることは、自分の感情を理解してコントロールすること。
物事は捉え方次第です。良い大人なのですから、自分のご機嫌くらい自分で取りましょう。
ケガをして腹が立つと思えば腹が立つし、ケガをした私って可哀そうと思えば急に泣けてくるし、このくらいなんでもないやと思えば、なんてことないのと一緒です。
できれば自分も周囲の人も安心して快適に過ごせる居場所づくりを、日々の暮らしの中で心がけていただけたらな、と思います。
それは私も気をつけなくてはと感じるところでもあります。
ホームってきっと、みんなにとって必要な場所だと思いますので。
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