女将さんって何してたの?
こんにちは。
仕事をテーマに書こうと思ったときに、これまで自分がやってきたことを振り返ってみるのもアリかなぁと思いまして。
ちょっとだけ昔の話を。
航空会社からすし屋の女将に転職して、
最初の大きな仕事は、新しいお店を開店する準備でした。
当時の私は、二十歳そこそこで・・・
会社でマニュアル通りに働くことしか知らなかったので、
何をしたら良いか、規定も何もない自営業で働くことが、すごく不安でした。
何が正解なのかも分からないまま、食器のカタログを見て、お皿を選んだり・・・
カウンターの椅子も、トイレの鏡も、掃除道具も、
何を選んでよいかあたふたしていた覚えがあります。
インターネットもまだ世に始まったばかりくらいの時代でしたので、
今のようにサクサク調べることができるはずもなく・・・
できれば開店する前までに、一連の仕事の流れを知っておきたかったのですが、
新人研修などあるはずもないわけで(笑)
眠れない毎日を過ごしたものです。
何が一番戸惑ったかといえば、
仕事も私生活も同じであるというライフスタイルでしょうか(;´∀`)
私の父は長年会社勤めで、母は専業主婦でしたので(たまにパートで働いていた記憶があります)、
基本的に家に関する大事なことは、父が決めてくれる家庭でした。
それが当たり前の環境で育ってしまっていたので、
自分の中で公私の負担の切り替えが上手にできなかったのも、
余計な悩みを抱え込み過ぎた一つの要因だったのかもしれませんね。
それから、全く知らない業界であるがゆえに、
元夫に対して意見することも、
もはや何からお伺いを立てたらよいのかさえ分からなかった、というのもあると思います。
会社でいえば上司みたいなものですから・・・
私がこれをやるのが当たり前なのかそうでないのか?
やり方はこれであっているのか?
こんな場合は何をすればよいのか?
忙しくなると特にやることがいっぱいなのに、
誰に何をお願いしてよいのかすら分からなくて焦ったりして、
本当に、働くことが苦痛でしかありませんでした。
そういえば、私はひと頃、お店の電話に出ることができなかったのですが、
ストレスで聞こえが悪くなる人の気持ち、すっごく良く分かります。
聞き取りたいのに、雑音にしか聞こえないって本当に恐怖ですよね。
これ、状況によって聞こえ方が変わるんで、本人にとっても謎なんです。
私の場合、聞き取れなくなるのは常にお店の電話でした(笑)
きっと、元夫からするとできて当たり前のことだったのでしょうけど、
私にとっては毎日泣きたいくらいのことで。
何が満足で何が不満なのか、その基準すら分からず・・・
経理や飲食のことに関して基本的に無知だったので、
そんな自分がダメなんだ!と自分を奮い立たせては無気力になる、の繰り返しでした。
特に開店して2年目に、経理(青色申告)を全て任せると言われた時には、
嫌と言えない自分を恨みました(笑)
あの時、嫌だと訴える権利はあったのかな?
・・・言える自分ではなかったので、そこはお察しください。
きっとそれが当たり前なんだから、勉強しなきゃならないんだと、
前年度の資料を見て必死にやったのを覚えています。
その頃はまだ子どもも小さくて、子育てしながらの、孤独で地道な作業でした。
ごめんなさいね、あまり楽しそうな話じゃなくて(;´∀`)・・・なにかしらこの感じ。
今、客観的にその時のことを解析するならばですね・・・
そのころの自分は、圧倒的にコミュニケーションが足りてなかったのだと思いますし、
変なところで互いに遠慮し過ぎてたんだと思います。
そもそも互いの役割分担や、ゴールの共有もできていなかったし、
私はいったい何の役目で、何のためにここで働いているのか?
どこまで責任を負えばよいのか?どこまで携わればよいのか?
対価はいくらもらえるのか?お金以外に得られるものはあるのか?
そこらへんが不明確だと、どんな仕事だって続かないですよね。
それでも、自営業の奥さんなら、苦労するのが当たり前、影で支えるのが当たり前なのだと、
本気で思おうと努力してました。
苦労は買ってでもしろというなら、誰かに売ってあげたかったです。
やりたいことなら、しんどくても苦労とは思いません。
本当はやりたくないことだから苦労というのですよ。
ただただ、うまく言えないもやもやとした現実と、はっきりとしたビジョンが見えない将来のために、そこにいる毎日でした。
もしかしたら、将来はこんな暮らしがしたいとか、こんな生き方がしたい、というのが元夫にはあったのかもしれませんが、
わたしはあまり賛成できない話だったような気がします。
いつかきっと楽になる日が来るよ、と誰かに励まされたことがあったけれど、
「今が楽じゃないなら、未来も同じだろう」と思っていました。
コーチング的に言うと、これは正解です。
時間は未来から過去へ流れていますから。
未来が原因で、現在が結果。過去は全く関係ないわけです。(縁起の話はまた今度)
(こうなりたいという)未来のビジョンがあるから、結果として現在の行動が生まれる。
ということは、今がしんどいのは、未来がしんどいからだ、ということで、
今がHappyでないなら、未来もHappyではないということですね。
こんな感じで、もはや「want to」じゃなくて「have to」って分かります?
「したいこと」よりも、「しなければならないこと」ばかりになっていったということです。
こんな感じだと、モチベーションも何も、あったものではないですよね。
コーチングではいろんなことを学んでいますが、
私は、ゴールの無い人生の虚しさや、have toで生きることのしんどさを、
身をもって約18年体験してきました。
だからみなさんに強く言うのです、
同じ命の時間を使うのならば、ゴールを決めて「want to」で生きなさい、と。
良かったことってある?
もちろん、自分にとってプラスになったことはたくさんありますよ(*‘ω‘ *)
色んな人を観察することができたので、本当に良い勉強になりました。
飲み方の品の良さ・汚さってあるんだな~とか(笑)
自営業のことも、接客も、飲食の大変さも、身に染みて感じることができました。
お客様が来て、対価を下さることで子どもたちがご飯を食べていけるわけで。
だから、仕込みから最後の片づけまで黙々とやっている元夫は、本当にこの仕事が好きなのだろうなぁと尊敬していました。
家にいる時間よりも、仕事場にいる時間の方が長いなんて、なかなかできる事ではありません。
すごいことだと思います。
これは余談ですが・・・
生ビールが上手に注げるようになりました(笑)
飲食やってたら当たり前なのかな?
先に液体を注いで、あとからきめ細かな泡をこんもり、ですね。
それから、それまで全く飲んだことがなかったけれど、焼酎の種類や飲み方について、
結構詳しくなれました。
あとは・・・メニューを作ったり、名刺を作ったり。パソコンで、
わりときちんとしたのを作れるようにもなれたし。
どうにか女将さんらしくなりたくて・・・
地域でやっている「着付け教室」を探して通い、自分で着物が着れるようにもなりました。
洗える着物をローテーションで着て、着物で自転車通勤していたこともあります。
着物で自転車なんて!と思う方、コツさえつかめば上品に乗れますよ(笑)
お客様がすごく喜んでくださって、それは嬉しかったです。
着付けができると、お祭りの司会なんかで浴衣が自分で着ていけるので、これも後々助かりました。
経理に関しても、最初はチンプンカンプンでしたが、
会計ソフトを使って、なんとかそれらしいものを提出できるようになりました。
消費税申告まで、悪戦苦闘の年度末でしたし、
うっかりミスで訂正する羽目になったり、
提出したつもりですっかり忘れていたこともあったのですが・・・
その甲斐あって、今の仕事の役に立っているので、すごく助かってます。
なんか得しててごめんなさい(笑)
あ~、まだまだ全然書き足りないんですけど。
・・・18年もあればですね(笑)
掘り出せばいろいろありますね・・・。
でもね、これだけはお伝えしておきます。
あの時のわたしは、きっとそれが精いっぱいで、
本当ならば自分がその時やっていたことも、
そこに生きていたことさえも、正直嫌だったのだと思います。
子供がいるから、親に悪いから、体裁が良くないから。
結果的に誰が悪いのかと言えば、
やっぱり私自身が悪いんですよ。
これまで起きたこと全て、選んだのは私なんだから。
誰を責めるつもりもありません。
それぞれ、自分の人生を生きているのだから。
それぞれの自己責任で良いと思っています。
だからこそ、
これからは以前の私みたいな人を作らないように、
しっかりゴールセッティングをして、want toで生きる人をサポートしたいのです。
何も考えずにだらだら生きて、have toの人生が良いのなら、
それはそれで尊重しますけど。
せっかく期限の決まった人生であれば、
好きな人と好きなことやって、自由に自己責任で生きてみたくありませんか?
私は、物質的な豊かさはまだまだですが(笑)
心はいつも穏やかで満たされています。
というわけで・・・
お仕事で悩んでいる方、将来やりたいことで迷っている方、
お話、聞かせてください。
いつもお伝えすることですが、私はあなたがゴールを達成できると信じています。
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