相手より私の方が正しいから腹が立つ?
感情のひとつに「怒り」があります。
何が引き金となって怒りが発動するかは人それぞれだと思いますが、
信じていた人に裏切られたり、相手より自分の正しさの方が絶対!と感じるとき、「怒り」を覚えることがありますよね。
私も怒りを覚えるときはありますが、長続きしないのが玉に瑕・・・。
時々見受けられるのが、自身の正当な怒りによって、逆に周囲からの評価を下げている人。
いくら本人からすると正義とはいえ、己の怒りの感情に身も心も委ね過ぎて、せっかく周囲にあるさまざまなチャンスを見逃してしまう(周りが見えなくなってしまう)となると、果たして「怒り」という鎧をまとって、自分自身を正当化し続けることは、本当にその人にとって得策なのだろうか?と疑問に思ってしまうのです。
腹が立ってしょうがなくて、もはや何を言われても素直に受け取れなくて。
周囲に意識を向けられず、逆に自分の価値を落としてしまっては。。。ですね。
大丈夫ですか・・・?と心配になります。
どうして人は「怒り」を感じると、その矛先である相手の話が聞き入れられなくなるのでしょう?
もしかすると、その人との間にあった信頼関係が意図せず崩されてしまったからかもしれません。
「この人の言うことはもう信じられない!」ってやつですね。
分かってくれていたはずなのに分かってくれていない、もしくは簡単に他の人の考え方に流されてしまったことが許せないのかもしれません。
「どうして私より他の人の言うことを信じるの?」
自分の味方でいてくれると思っていたのに、意図せず批判されたせいかもしれません。
「私はあなたの言うことをちゃんと理解して尊重しているのに、どうしてあなたはそんななの?」
こういったことが起きた場合、きっと人は心で呟くでしょう。
「私の何が悪いの?」と。
そうなるともう、
何を言われても相手の話を素直に聞き入れられないとか、相手からのリクエストに応える気にもなれない気分になっても、仕方がないといえば仕方ないかもしれないです。
しかし・・・
それが夫婦であれ、恋人同士であれ、親友であれ、仕事関係であれ、あなたが一度壊れた(壊された)信頼関係を本気で再構築したいのであれば、どんなに腹が立ってムカついても、再び相手を信頼しようとする勇気と覚悟、自分や相手に歩み寄る何かしらの働きかけが必要になります。
そもそも「怒り」を発している人は、人を寄せ付けません。
触らぬ神に祟りなし、という言葉もありますが、そういった扱われ方をされることが、果たしてその人の望みなのでしょうか?
「私は正しい!」という正義感あふれる怒りは、ある種の強さを与えてくれるかもしれませんが・・・
そうやって強気でい続けることは、こういった状況で自分を保つために、少しの間必要なことかもしれません。
しかしそれが過ぎると、周囲と協力して物事をすすめたり、周りと理解しあい、喜びを分かち合うチャンスを、自分から逃してしまうことになりかねません。
もしかすると、正義という仮面をかぶっているだけの、ただのつまらないプライド、もしくは注目されたい願望なのかもしれないですし、
怒りという殻をかぶせた、深い悲しみや苦しみ、絶望がそこに隠れているのかもしれません。
その怒りは本当に誰かの役に立っていますか?
怒りって、ものすごくエネルギーを消費する気がします。
イライラして、カッカして、察した相手が下手に出てきても「今さら何言ってきたってもう遅いんじゃボケェ!」みたいな(笑)
でもね、それって空(むな)しくないですか?
その怒りが何の役に立つのか?
その怒りは自分にとって、何のメリットになるのか?俯瞰して、冷静になって考えて欲しいのです。
クールになって、今の状況をもう少し深く考えてみると、
どうして相手のこと(怒りを覚えた状況)が、こんなにも気に入らなくて腹立たしいのか?という、怒りの前に存在していた行動や感情が見えてくるはずですから。
しかし、ここで前提として知っておいて欲しいのは、
感情というのは行動よりも先に現れることがないということ。
何か行動があって、そこに付いてくるのが感情。
どうしようもないこの感情をどうにかしたい!と思うのならば、
感情よりも行動を変えることを優先で、自分と向き合うことに取り掛かってみてください。
思い悩むより、思い切って行動してみる!ということですね。
相手を受け入れる心の余裕、相手や自分を許せる心の余裕をつくるためにも、
怒りの裏にある諦めや哀しみ、不安などの思い込みを外し、どうか前向きな気持ちで、自分自身や相手と向き合うことに目を向けてみてください。
「愛」も「幸せ」も「喜び」も、自分自身や相手との「信頼関係ありき」です。
ということは、自分が自分自身や相手を信頼できなければ、愛も幸せも喜びも感じられないということです。
自分を信じ、自分を受け入れ、自分をきちんと尊重できる人は、
相手の不満や気づいたことを上手に受け入れる余裕があります。
自分自身を受け容れて、信頼して行動できる人は、
誰かと信頼関係を築くことや、絆を強くすること、愛情を深めていくことなど、
できて当たり前だという前提で、妙な猜疑心を持たずに過ごせるようになります。
もしも相手が失いたくない人であるなら、
怒りで見えない壁を作って、結果的にいろんなものを遠ざけてしまうよりも、
微かな希望や喜びを大切に育みながら、
自分のことも、相手のことも、まずは認めてみることをおススメします。
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