目次
決めつけてはいけないけれど
不倫をしている人、不倫をされている人、相手が既婚者だと知らないまま関係を持ってしまった人、
この仕事をしていれば、自ずとさまざまなご相談をお受けします。
そういった話題が出てきた途端、
個人的な価値観(不倫は絶対悪などと)を一方的に押し付けて、
クライアントさんを批判したり、説教めいた話をされる占い師さんもいらっしゃるようですが・・・
同業者として謝ります。こういった占い師が世の中にいてあなたを傷つけて本当にごめんなさい。
せっかく勇気を出して心の苦しさを打ち明けたあなたの人格を責めるような言い方をする占い師は、
ダメな占い師なんだと思っていただいて結構です。
世の常識といわれるものや倫理感を、さも正論のようにあなたに告げることなら、
ワイドショーのコメンテーターでも誰でもできるのですから。
私は立場上、否定も肯定もしません。
何が正義で何が悪(別の正義)かなんて、議論しても埒が明かない問題だからです。
そんな簡単なことではないから、セラピストのもとへ来られるのです。
できれば安心して苦しい胸の内をお話しいただけたら、と思います。
このテーマに関して、一度の記事では書ききれません。
恋愛のカテゴリで書いていきますが、
(恋に恋している人には刺激が強いかもですけどこれも現実なので参考までに)
誰か必要な方へ届けば幸いです。
された側が取り乱すのは当たり前のこと
先に書いておきますが、
パートナーに不倫されて取り乱した経験がある、もしくは今がその真っ最中であるという方へ。
冷静でいられなくて当たり前です。
普段のあなたらしくない行動(感情の波にのまれたり、抜け殻のようになってしまったり)を
とってしまっても、それは異常なことではありません。
「私は人として、パートナーとして失格」だとか、
むやみに自分を責め続けるようなことからは、とにかく一旦距離を置きましょう。
通常通りのあなたで居られなくて、当たり前の状況なのだということです。
不倫されてこんな風になっている私はおかしいですか?
「病気はやめられる」ことに関するブログの中に、
人はストレスを感じ続けると、脳の苦痛系が動き続けてだんだん免疫機能が低下し、
心も鬱々とした状態になっていく、というような話があったと思います。
不倫をされたという事実を突きつけられ、ショック状態、パニック状態に陥っていくと、
常に身体が臨戦態勢(アドレナリンのようなストレスホルモンによって)にいるような感覚になります。
無意識に緊張状態が続く感じです。
いつ何時、またパートナーが相手と連絡を取りはしないかと神経質になってしまったり、
急に不安になって夜中に何度も目が覚めたり、
考え事が頭の中を駆け巡ってなかなか寝付けなかったり。
なにかの物音、ちょっとした相手の仕草や行動に敏感に反応してしまったり・・・。
気が休まらないとはこのことです。
中には睡眠不足や食欲不振になって、日常生活にまで影響が出てしまう方もいらっしゃるほどです。
過度のストレスのあとに襲ってくる虚しさ
しかし、人間の身体にも危機管理能力がありますので・・・
過度のストレスを感じると、それを麻痺させるような(モルヒネのような)脳内物質が分泌されます。
極端に言うと、これ以上いろんなことを感じ過ぎないように、考え過ぎないように、
敢えて感覚や思考の能力を停止状態にして、とにかく難を逃れさせようと働くわけです。
こうなると、ストレスを感じにくくするのには良いのかもしれませんが、
楽しさや喜びを感じることについても、同じように鈍感な状態になってしまうので、
結果として、何も考えられない、何も楽しめない、何も手につかないような状態に陥ってしまいます。
そうなった時に気をつけていただきたいのが、
「自分はもう生きていく気力さえもわかなくなってしまったんだ。死んだも同然だ。」
などと、勝手に思い込んで引きずりこまれてしまうことです。
全てはあなたの脳が、そうするべくしてやっていることです。
こういった身体の機能なので、理解して変えていくしかないのです。
あなたの心が弱いわけでも、気合が足りないわけでもありません。
ごくごく自然な、正常な反応に過ぎないのです。
そうですよね、だって永遠の愛を誓ったはずの、
特別な存在であるはずのパートナーへの信頼が失われ、
当たり前だと思っていた自分の世界がいきなりそうではなくなったのですから。
天と地がひっくり返ったようなものです。相当なショックだと思います。
動揺してしまって当然です。
それでもっとしっかりしろなんて、無理な話です。
こういった場合の無気力・無関心・集中力の欠如は、
誰にでも起こりうることであり、自然で当たり前の反応なのだと理解してください。
いつもは普通にできていたことや楽しめていたことが、
一時的にいつも通りにできなくなったとしても、それが永遠に続くわけではありません。
私がいつも心配になるのは、パートナーを失うことの痛みよりも、
自分の心を見失うことの痛みの方です。
心の傷は目に見えません。
「意外と大丈夫です」、と普段と変わりなく気丈に見える方ほど、
心の傷が血を流し、見えない涙を流しているのではないかと感じてしまうのです。
自己否定・自己卑下は何も解決しない
「パートナーが浮気したのは、私がつまらない人間だからでしょうか。」
こんな風に、パートナーの不倫が発覚してから自分の良くないところばかりに目が行き、
「こうなったのは自分が不倫相手よりも劣っているからだ」と、
自分を責め始める人も中にはいらっしゃるようです。
しかしここで、自分をダメ認定したり、
身勝手な妄想で被害者意識を募らせていっても、何も解決しません。
不倫のことと、自分自身のキャリアやこれまで生きてきた人生の価値とは、また別のことです。
不意に訪れた衝撃に影響を受けて、自分のことが正常に見えなくなっているだけであり、
「いつもとは違う状態の自分の方こそが本当の自分なのではないか?」と誤解することのないように願います。
感情に煽られて取り返しのつかない行動に出ませんように
不倫相手からパートナーを取り戻そうと、普段なら絶対にしないような暴走をしてしまう方もいらっしゃるようです。
行き過ぎると犯罪行為になります。焦って自分を見失わないでください。自分自身を大切に。
恥もプライドも未来も捨ててはなりません。
しかし、こういった状況に遭遇すると、あとで後悔するような行動を衝動的にとってしまうこともあると思います。
そんな時はどうか、やってしまった自分を責め続けないでください。
誰だって、動揺すれば判断ミスすることもあります。あの時はあなたらしくなかっただけですから。
疑っていたけど、怖くて聞けなかった自分を責めないで
明確な証拠があればですが、根拠のないことで妄想を膨らませても、それが現実とは限りません。
聞けなかったことよりも、これまで生きてきた中で自分の心を無視(自分の気持ちを押し殺す)し続ける癖がなかったかどうか、そこを確認することの方が大事かもしれません。
どんな場面であれ、自分の本心を蔑ろにし続けることは、心身の健康にかかわることです。
どうかあなた自身の本当の気持ちを大切にして下さい。
あぁ、やっぱり長くなってしまいそうなので、
続きはまた次回書きます。
最後に・・・
あなたはこの世界にたった一人しかいない、かけがえのない存在であることを忘れないでください。
未来は決められたものではなく、自分が選んで決めて変化させながら創っていくモノであるということも。
もしも、誰にも話せなくて苦しいことがあるようでしたら、
私たちのようなセラピストに吐き出すだけでも、気持ちが楽になるかもしれません。
この場所が、あなた本来の笑顔を取り戻す、何かのきっかけになれたら幸いです。
No Comments
Be the first to start a conversation