この仕事をしている以上、知る必要がある
生きている中で、そう何度も目の前に座っている初対面の生身の人間が、理不尽に暴力を振るわれた話を聞くことなど、まずないでしょう。
私だってこの仕事をしていなければ、そんな踏み込んだ他人様の痛みや苦しみに直面する機会など無かったはずです。
ひとつ言えることがあるとするなら、私はいつでもあなたの味方だということです。
なにかきっかけがあったとしても、理不尽に暴力を振るわれ、人格否定されるような言葉を吐きつけられ、蔑んだ目で見下されて、抵抗する気力も言葉を紡ぐ術も放棄せざるを得ない状態に追い込まれているあなたに、さらに追い打ちをかけるように「自分をこんな風にさせたお前が悪い」と相手から責め続けられたら、そりゃあ誰だって惨めな気持ちになりますよ。
一般的なマニュアルには、とにかく離れなさい、距離を置きなさい、別れなさい、と書いてあります。
それでもあなたはそこに居ることを選んでいるのですから、自分自身の心と身体の健康を保つためにも、時には客観的に自分を見つめる時間や、ちょっとした息抜きが必要でしょう。
そのためにこういった場所や私のようなセラピストがいるのだと、アタマの隅にでも覚えておいてください。
私はあなたを責めたりしません。怒ったり説教したりもしません。
余談ですが、たまにそういう説教系の占い師さんがいらして、誰かに叱って欲しいクライアントさんがいたりします。互いに望みが一致すれば素敵なことです。ご自身に合うセラピストを選ぶことも大切です。お好みで探されてみてください。
分かっちゃいるけどの法則
DVに関するサイトは多々あります。
これがDVですよ、こんな人がDVしますよ、と。
しかし相談に来られる方は、当てはまる項目がたくさんあるのにもかかわらず、
ひとつでも当てはまらないことがあるから大丈夫、と安心する理由を探していらっしゃることの方が多いようです。
それが良いとも悪いとも、私には言えません。
情報とは、誰がどう利用しても構わない、そういうものですから。
ただし、物理的な破壊行動は、誰も幸せにしません。
それは、弱い立場の者に対する暴力でも、そもそも抵抗できない身の回りにあるモノ(壁や床、家財道具など)に対する破壊行為でも同じです。
壊れたものは簡単に修復できません。
目に見えるモノならば、まだ程度の激しさや、修復の難しさ、痛みに共感できるチャンスがあるといえるでしょう。
しかしあなたの「心」にカタチはありません。
心が離れるとか、心が冷たいとか、心が無いとかいろんな表現は存在しますが、心は目に見えません。
相手の中に、あなたに対して言ったことや行動したことで与えたダメージに対する自覚が無ければ、相手の中でのその行為は、そもそもあなたが思っているような大そうなモノではないということです。
あなたがどんなに苦しんでいようと、相手にとっては大したことじゃない、むしろ「こんなことさせられて被害者はこっちの方だ」ということもあり得るということです。
私たちは人間なので、相手の感情を思いやることができてしまう分、勝手に想像を膨らませて、自分の都合の良いように、自分だけでなく相手や周囲の感情までアタマの中で創り上げてしまえる、とても自由な生き物です。
「相手はきっと、本当はこう思っているのだ。だから私は本当は幸せなのだ。」と思えるうちは、こちらとしてもそれでも良いのだと承知せざるを得ません。
その人の幸せは、私ではなくその人が感じるものだから。
もちろん、「早く逃げなさい、身を守りなさい」とそういった系統のサイトには書いてありますし、
私も、「もしもの時はそうされることも考えておいてくださいね」とお伝えはしますが、人の気持ちはそんなに単純なものではなくて・・・ですね。
この世に絶対的な正しさや正解などないので、世の中、そう簡単にはいかないモノだと目の当たりにするしかないのです。
たとえ一時的な感情の嵐が収まったとしても、身体の痛みや心の痛み、壊れたものの残骸は残ってしまいます。
それを見て、それをまた与えられ、辛さや悲しみ、苦しみも繰り返し感じ続けると、その状態こそが「当たり前の安心できる日常」になってしまい、逆に感覚も麻痺しようとするのかもしれない、という考えに至るわけですが・・・
コンフォートゾーンとは、人間の脳の機能とは、極端だけどそういうものなのでしょう、と妙に納得するしかないのです。
私がそれをどうこうしろとは言いません。
大事なのは、ご本人のゴールですから。
私はあくまでも、その方が「こうなりたい」という夢や希望を持たれていた場合、
そこに至るための現在の状況・問題点や、望む方向へ変えるための現状との関わり方をアドバイスすることしかできません。
もちろん、場合によっては早急に離れることをお勧めする事もあります。
しかし、全てがそれで解決するかというと、ケースバイケースでしょう。
どんな未来を望むかは別として。
現状を選択しているのは、あくまでもご自身なのですから。
だからどうか、自分を責めないでください。
胸を張って、そういう自分を選んでいるのだと、誇りをもって生きてください。
それでも何か変だと思うのであれば、それが答えだと思います。
今が笑っていられなければ、未来もずっとこのままだということを忘れないでください。
私はいつでもここにいます。
どうか、つらい時はこういった場所があることを思い出してください。
あなたはもっと健やかに、もっと軽やかに、もっと自由に、生きる権利を持っているのですから。
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