例えば人は電車に乗ってて、たまたま我がの隣の席に座った人に洗脳されたりはしません。それは何でかと言われれば、たまたま我がの隣の席に座った人に興味なんて持たないからです。そりゃまぁ、たまたま我がの隣に座った人が美しい人だったら話は換わってくるかもしれませんね。その逆に、たまたま我がの隣に座った人が快くないと感じてしまう人だったとしても話は換わってくるでしょう。でもだからと言って、洗脳まではされませんよね。まぁ強いて言うなら、たまたま我がの隣に座った人が我がのタイプの人でヒトメボレする位ですよねぇ。
そして占師にとってクライアントさんは、たまたま我がの隣に座った人と同じなんです。むしろ、それ位の方が互いの為に良いんです。実は占師の五月病、と呼ばれる物が占師の業界には在ります。これは占師に成り立ての人が罹る心の病で、その名の通り未だ初めて数週間・数ヶ月なのに占師を辞めたくなっちゃうんです。それは占いを始めたばかりだから未だ思う様に売り上げが上がらなく落ち込んでしまった、から患ってしまった訳ではないんですね。早い話が、クライアントさんのドヨーンとした気に当てられてしまって患ってしまう病なんです。
占師という職は、クライアントさんの悩みを聞く職です。そして殆どのクライアントさんは、嬉しそうに悩みを語りません。当たり前ですが怒りか悲しみか、そういったどちらかと言うと負の念の様な物を込めて悩みを語ります。その影響を占師が諸に受けてしまうと、占師の五月病に罹ってしまうという訳です。似た様な話は、占師の業界の他にも在ります。医者さんの業界でも、心を病んでる患者さんを治す精神科医さんが心を病んでしまったなんて話も聞きます。占師にしても医者さんにしても、プロなら我がの心は我がで守らなければ成りません。
その為に、クライアントさんに興味を持たないんです。ただこれは、クライアントさんの人格に興味を持たないという事です。そして更に、クライアントさんの悩みの内容にも興味を持たないという事です。でもクライアントさんが悩みを解決する事には、興味を持たねば成りません。これに興味を持たないと、最早それは占いでは在りません。それ所か、クライアントさんの話を一生懸命に聴く事すらやらないでしょう。世には、色んな人が居ます。そして、人の数だけ悩みも在ります。人も千差万別なら、人の悩みもまた千差万別という事なんですね。
そう考えると、クライアントさんの人格や悩みの内容に興味を持つ事に意味と価値は在りません。むしろ、そういった物に興味を持った所で占師の主観でクライアントさんを裁く事と成ります。占師は、神さんでも仏さんでも在りません。クライアントさんを裁けるだけの正しさなんて持ち合わせてません。占師もクライアントさんと同じ、高が人に過ぎないんですから。でも占師は占術を使う事で、クライアントさんが悩みを解決する事を助けれます。だから占師は、クライアントさんが悩みを解決するのに我がが役に立つか否かにのみ興味を持ちます。
これは占師じゃない人にも、役に立つ考えです。例えば「貴方は私を幸せにしてくれるの?」と問われたとしましょう。それに「はい」と応えるのは、とても難しいですよね。それに何だか、とても無責任な印象も受けますしね。じゃあ「それは分からないけれど、私は貴方に◯◯ならしてあげれるよ」と応えるのはどうでしょう。これって問うた方にとっても問われた方にとっても、とても解り易いですよね。問うた方は、期待しなくて済みます。そして問われた方は、無理しなくて済みます。ハッキリしてるので、互いにとても関わり易いんですよね。
人と関わる時は、人を喜ばせる様に関わる。そして喜ばせるとは、良い事をする訳では在りません。喜ばせるとは、嫌な事をしないという事です。じゃあ始めに、されたら嫌な事をストレートに問うてしまいます。そしてそれを聞き出したら「解りました、それを私は貴方にやりません」と言ってしまえば良いんです。でも人ですから、やってしまう事も在るでしょう。その時は、直ぐに謝れば良いんです。これがプロの占師だったら、クライアントさんは占って欲しいに決まってます。だから要らん事に興味を持たず、ただ占えわせて頂けば良いんです。
殆どの人は、超能力者では在りません。それが例え、プロの占師で在ったとしてもです。だから人の心なんて、読める訳が無いんです。そこは、謙虚に成るべきでしょうね。占師の役は、クライアントさんが悩みを解決するのを助けさせて頂くだけなんです。そもそも悩みを解決するのは、クライアントさん自身なんですからね。その辺の事を弁える事が、占師の身を守る事にも繋がります。さっきも書きましたが、人の人格は千差万別です。そして、この世に絶対的に正しい事なんて在りません。僕もまた、それを肝に銘じて占師をやらせて頂いてます。
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