格付け・位置づけ・ランク付け
この仕事をしていると、いかに私たちが「ない」ものを「ある」と何者かによって刷り込まれ、やみくもに信じ続けてしまうが故に、自分に自信が持てなくなったり、余計な生きづらさを感じさせられてしまっているかが、だんだん分かってきます。
例えば・・・
こんな風に思い込んでいる人、あなたの周りにいませんか?
独身の人より、結婚している人の方が偉い。
子供がいない人より、子育てしている人の方が偉い。
母子・父子家庭より、両親がいる家庭の方が偉い。
官僚は民間の人より偉い。
長男は次男より偉い。
男は女より偉い。
貧乏人より金持ちの方が偉い。
生徒より先生の方が偉い。
・・・ほじくり返せばたくさんありますけど、これって本当に本当だと思いますか?
こういった、どうやら従わなくてはならないらしい上下意識に振り回されて、
「自分はあの人よりここが劣っているから・・・」と、上ばかり見ては自己卑下し、
「世の中では偉い人には従わなくてはならないから・・・」と、大切なはずのプライベートまで犠牲にし、
自分より劣っている人を見つけては、
「自分はコイツより全然まし。自分の方が上だわ。」と上から目線で相手を見下す。
自分より偉いと思われる人に対しては、どこか納得いかない気持ちを抱えつつ、(嫉妬心、もしくは劣等感を抱きながら)気を遣って、へりくだって接し・・・
自分の方が偉いと思われる人に対しては、優越感を持って、偉そうにふるまう・・・
常に付きまとうけど結局「偉さ」って何?
ところで、この「偉い」の基準ってどこにあるのでしょうか?何を根拠にそれが決めつけられているのでしょうか?
よくよく考えていただきたいのです。。。
実は「偉さ」に根拠なんて何も無いことに行き着きませんか?
何をどうしたらこんなことにいちいち振り回されて自信を奪われてしまったり、上と下に常に影響を受けながら、窮屈な人生を送らざるを得ないような状況になってしまうのでしょうか。。。
「偉さ」に実態なんてありません
いつもクライアントさんの話を聞いていて思うのです。
いかに私たちは根拠のない「差別思想」を刷り込まれ続けて、自信が持てなくなるように仕向けられて来てるんだろうと。
当たり前のように相談される、
「長男だから・・・」という、前提。
二男以降は頼りない、頼ってはいけないという、何か破ってはならない決まり事でもあるのでしょうか?
長男だから一番偉い人として扱わなくてはならないって本当ですか?
「女の子はどうせお嫁に行くから・・・」という言葉も良く耳にします。
でもこんなこと言う親に限って、「息子のお嫁さんよりも、自分の娘の方が甘えやすいから・・・」と、結局娘に頼ろうとする身勝手な考え方が目立ちます。
「どうせ嫁に行くから、高いお金かけて進学する必要はない」とか、「仕事ばかりしてないで花嫁修業しなさい」とか。
女だから、学ばせる価値はない。
女たるもの家族のために家事全般を一人でこなせて当たり前。
そうでなきゃ偉くなれないって、本当に本当なのでしょうか?
「偉くなりなさい」という言葉の「偉い」が、「上の人間になりなさい」ということならば、それは非常にナンセンスです。
何をもって「上」であり、「下」なのでしょう?
当たり前のようにそこら中に転がっていますが、冒頭に挙げた例えを含め、これらは完全な差別思想ですよね。
上と下があれば、互いに意識して、
勝ち負けにこだわったり、
要らぬ競争が始まります。
(そもそも、勝ち組ってなんなんですかね。)
差別思想は、争いの火種になります。
世界平和とは程遠くなります。
ご存知のように、人それぞれ価値観や生き方はみんな違うのですから、そんなことをいちいち気にする必要なんてないのです。
「自分は素晴らしいし、相手も素晴らしい。」互いに尊重しあえれば、それでよいはずだし、うまくいくはずなのです。
それなのに、なぜか世の中「自分を素晴らしいと自分で思えない人が多い」ものだから、
あえて自分よりも下の存在を作ることで、どこか安心したい材料を探し続けてしまうのです。
これではいつまでたっても、成長することができません。
逆に自分で自分に自信が持てている人は、他者と比べなくてもきちんと自己肯定感を得ることができるので、差別したり見下す必要がないのです。
他人と比べてどうか?ということよりも、昨年(先月・先週・昨日)の自分と比べて、今日の自分はどうですか?少しでも胸を張れてますか?ということにフォーカスした方が、人はよっぽど成長できます。
つまり、他人と比べたり、優劣を気にしてばかりでは、人は幸せにはなれないということです。
「人より偉いこと」の根拠など、よくよく元をたどってみれば、どこにも無いことが分かりますよね。
「真の偉さを量る物差し」など、どこにも存在しないように。
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