互いに信頼できなければやめたほうがいい
時々、ご夫婦で商売をされている方とお話しする機会があります。
うまくいっているところと、そうでないところ、いろいろですが、かつて自分もこの立場を経験したことがありますので、夫婦で何かしらの事業を立ち上げて運営していく楽しさや大変さというものは、未経験の人よりは理解しているつもりです。
一見すると「楽しそう」とか「仲良し夫婦」とか思われがちなカテゴリではありますが、家庭生活を共に営む夫婦が、同じ仕事も一緒にやっていくとなると、夫婦で別の仕事をしている家庭とはまた違った配慮が求められると思うので書いてみますね。
※興味のある方は、ご参考までにどうぞ。
きちんと両立するために
「ビジネス」と「家庭生活」という、二つの側面をうまく両立していくことがもちろん夫婦どちらにも求められます。
これは私の鑑定でもお伝えすることではありますが、
たとえ夫婦であっても、ビジネスでの関りであれば、ある程度のシビアさは必要です。なぜなら、そこに報酬(お金のやり取り)が発生しているからです。
お金が絡むことで、相手と気まずくなりたくないがゆえに、口約束で失敗した経験のある方も多いかと思います。
会社で上司部下の関係であれば、資本主義社会である以上、会社の命令に従わざるを得ないところもありますが、これが夫婦である場合は大きな決断をしなくてはならない場合も、どこか「なあなあ」になりがちです。(現代の宮崎弁では「てげてげ(いい加減・おおざっぱ)」とも言います)
夫婦のどちらかが勝手に決めてやったことで思わぬ損害を被った時、言った言わないの水掛け論になったとしても、何も解決しません。
だからこそ、きちんと互いに仕事に関する情報を共有することや、お金の流れを把握しておくことが求められます。
また、言葉の定義を同じくしておくことも重要です。
「お金を貸す」を、「戻ってこなくても仕方がないお金」と定義しているか、「必ず返してもらえるお金」と定義しているかで、その後の対応にずれが生じますので。
きちんと契約を交わすこと、きちんと得するような関わりをすること(ギブアンドテイク)は、ビジネスの上で重要です。
しかしこれが家庭生活となると風向きは変わります。
見返りを求めずに、互いに与え合うことが必要となります。
家庭生活がなかなかうまくいかない方は、ここのバランスが整っていないから、どこかで破たんしてしまうのだと思われます。
どうやったって家族なので、見返り(報酬)がなくても世話を焼くことが基本になります。
世話を焼きたくない相手なら、そもそもどうして結婚しちゃったの?なのですが、ここではそれについて書く気はありません。
何があっても共に責任を負うもの
仕事と家庭生活を円滑に営む上で、どちらにも共通する大切なことがあるとするならば、「互いのことを信頼・尊重できているかどうか?」だと思います。
夫婦としてであれ、ビジネスパートナーとしてであれ、夫婦のうちどちらが偉いとか、どちらかが黙って従うべきなどありません。
むしろ、生計を共にし、名誉も不名誉も共に共有しなくてはならないのですから、本来であれば対等なはずなのです。
これを勘違いして、事業がうまくいかないことを一方のせいにしたり、他の夫婦と比べたり、互いに批判しあうようになると、当たり前ですがもっとうまくいかなくなるのが目に見えています。
誰かのせいにする暇があれば、どうすればうまくいくかを話し合うのが先でしょう。
共に同じ仕事をやっていく覚悟があるのであれば、何があっても共に責任を背負い、何があってもお互い様です。
また、これはとても驚くことですが、夫婦どちらかのミスやダメ出しを、ここぞとばかりに周囲の人に吹聴してまわる方も時折見受けられます。
そういう時って、自分の伴侶のことなのに、どこか他人事のようです。
こういった醜態をさらすことが、巡り巡って自分の仕事や人としての評判を落とすことになるのに、そこまで考えが至らないのでしょう。
このように、自分の伴侶の醜態をわざわざ自分から世の中にさらして憂さを晴らすことは、そのときはスッキリするかもしれませんが、客観的にそれを聞いている側としては、その人もその伴侶と同じように「こんな出来損ないの伴侶と連れ添っていながら何も改善しようとぜず、同情を集めては自分を正当化する滑稽な人」という醜態を、自分の方から暴露しているのと同じです。
なんだか厳しいことを書いてしまっているかもしれませんが、かつての私はこれらのことがうまくできませんでした。
ただ黙ってやり過ごす事しかできなかったので、きっと、それをやめてからの色んな変化に驚かれた方も多いことと思います。
ここからは個人的な振り返り
残念ですが、私がやっていることを一方的に批判するのであれば、それはその人の知識不足などではなく、単なるコミュニケーション不足から生じたものであると言えるでしょう。憶測や決めつけが前提では、互いに相容れることができません。
また、これが身内の場合、私が言うことよりもその他の常識や他者の意見を尊重するのであれば、その時点で信頼関係(夫婦関係や親子関係)は破たんしていることになりますから、こちらがいくら理解を求めても、そもそも信頼されていなければ土台無理な話になってしまいます。
私が経験した、かつての混乱した状況は、傍から見れば不可解であり、滑稽だったかもしれませんが、結果的に蚊帳の外にいられたことは、今となってみれば、とても幸せなことでした。むしろ感謝することばかりです。勘違いしてくださって逆にありがとうございます。
現状のみなさんが、あのころよりも数段にレベルアップされていて、なおかつ幸せであることを祈ります。
余談ですが、私は妄想や憶測で物事を決めつけて、関わる人たちを混乱に陥れる人がとても苦手です。
私の鑑定にはいろいろな方がこられますが、常にお話しすることがあります。
「目の前で実際に起こったこと、あなたの目と耳でリアルに見聞きしたこと以外は、すべて妄想でしかありません。妄想で自分勝手な思い込みの世界を作り上げて、その中で勝手気ままに悩むのは自由ですが、現実世界は何も変わりません。また、混乱を招きかねないので、あなたの妄想の世界に【現実の他者】を巻き込んではいけません。たとえ良かれと思っても、です。」
私は、私の世界を健全に築いていくことに必要な学びや工夫、行動を重ねていくだけです。
途中で間違いに気づいたら、変えればよいだけのことです。
結局、この世界を創っていくのは、伴侶ではなく、自分なのですから。
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