人に催眠術を掛ける為には、その人を催眠状態にせねばなりません。詳しくは、術が掛かるレベルまで催眠状態を深めねばなりません。運動支配系の術を掛けたいんだったら、軽トランスまで。感覚・感情支配系の術を掛けたいんだったら、中トランスまで。記憶支配系の術を掛けたいんだったら、深トランスまで。被験者さんの催眠状態を、深めねばなりません。でも実は、催眠状態を深めるだけでは術は掛かりません。催眠状態を深めるのは、術を掛ける前提の1つです。他にも、術を掛ける条件が要ります。そして、その1つに『同調』が在ります。
感覚・感情支配系の術を掛けたいんだったら、被験者さんの催眠状態を中トランスまで深めねばなりません。でもその時に術師と被験者さんが同調してなければ、術が掛からないという事です。同調してると、同調してる人同士の脳の一部が繋がった状態に成ります。同調してる状態でどちらかの人が快さを感じてると、もう片方の人も快さを感じます。同調してる状態でどちらかの人が恐れを感じてると、もう片方の人も恐れを感じます。不思議なんですけど、これも人の脳の働きの1つです。術を掛ける時は催眠状態の深さと同調、これが要なんです。
催眠状態を深める事と同調する事は違うのですが、その違いを感じれる人は稀です。ほぼほぼ同時に行いますから、催眠状態を深める事=同調する事と感じてる方も多いのかもしれませんね。基本的には、リラックスすれば良いんです。貴方がリラックスすれば、先ず貴方の催眠状態が深まります。するとそれを追う様に、自然と相手の催眠状態も深まります。その時には、自然と勝手に同調もされてる状態でしょう。後は貴方が快さなり怖さなりを思い浮かべ、その感情を味わうだけです。細かいテクニックは他にも在るんですが、要はこんな感じです。
ただ術を掛けると成ると、もっと細かく催眠状態を深め同調せねばなりません。被験者さんの催眠状態は深めれたけど同調が弱くて術を掛けれなかった、では意味も価値も無いですからね。催眠術の醍醐味は「手が固まる」と言ったら手が固まり「好きに成る」と言ったら好きに成り「幻が見える」と言ったら幻が見える、という現象が現れる事ですからね。ハッキリと速く現象を起こす為にも、催眠状態を深める事と同調する事は肝です。そして催眠状態を深める事と同調する事を巧くしとけば、非言語催眠や催眠療法をやる時にも役に立ちますからね。
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