カードの名称に囚われている時点でアウト!
死神にせよ恋人たちにせよ、そのカードの名称通り受け取ってはいけません!
と、はじめてのタロット講座では何度もお伝えしています。
人間だってそうです。
名前や肩書だけでその人を見ると、必ずスコトーマ(盲点)ができてしまうように。
カードだって、その名称通りに受け取っていると、とても残念な鑑定になってしまいますからご注意くださいね。
ちなみに最近の私の講座では、オーソドックスなライダーウェイト版のタロットカードを使用しております。
実際に私がメインデッキとして使っているものとは絵柄が違うのですが、
この死神のカードが出た瞬間、
「最悪や!」と捉えるのは非常にナンセンスである、と個人的に今日は訴えたいわけです(笑)
光があるから影があり、死があるから生があるということです。
どちらか一方だけでは成り立ちません。
死をやみくもに恐れても、探しても、正解なんてないのです。
「死」という言葉に「神」という言葉がくっついて死神さんなわけですよね。
問答無用で他人の命を粗末に扱う、残忍な人殺しではないと思うのです。
ちなみにこのカードの死神さん、私の中ではとっても紳士的な存在です。
白い骸骨の奥には、穏やかな顔をした白馬に乗った騎士がいる、と勝手に妄想しています。
だって、どうせみんないつかは死ぬんですからね(笑)
誰かがやらなければならないのです。
それをやっている、というか、それができるからこそ、神さんなのではないでしょうか?
決して命を粗末に扱っているわけではなく、
むしろ人の命を遵守し、理解しているからこそ、
このタロットカードの絵にあるように、死神さんは誰の前にも平等に現れているのではないでしょうか?
さて、このカードの素敵なところは、カードの奥に二本の柱があり、
その間から太陽の光が見えているところです。
柱と川を境に、向こう側とこちら側。
こちら側は地獄の殺伐とした風景ではなく、むしろ緑の木々が見えていたりします。
だから、私は悪いカードだとは思いません。
とっても深いカードだなぁと思います。
命の視点で考えると、「誰にでも平等に訪れる生と死」になりますが、
抽象度を上げて考えると、「全ての存在に起こり得る破壊と再生」とも読み取れます。
作物が実った畑を、いったん根こそぎ耕して、しばらく休ませるように。
もっと分かりやすく言うと、木々や草花が冬の間じっと春を待つように。
そこに何もないこと(死んでいるように見えること)にも、実は意味があるのだ、ということですね。
何もなくなったことが悪いことなのではなく、
そこからまた、新しい何かがスタートしていくのですから。
むしろ必要なことなのかもしれません。
しかしそれは、予期せぬ状況で訪れるのかもしれません。
だって、それ(死や破壊)が「いつ」「どんなふうに」なのかは、超能力者でもない限り、誰にも分からないのですから。
正解なんて無いけれど
今の私が、このカードを今の自分と照らし合わせてざっくり読み解くとするならば、
「ジタバタしないこと」「潔く受け入れること」・・・かなぁ。
もちろん、一旦死ぬわけですからね(;”∀”)
それ相応の痛みや虚無感を伴うような、大きな節目となるような、ひとつの幕切れなのかもしれません。
もう2度と交わらないような、振り返らずに去って行くような関係性を暗示しているのかもしれません。
そして、今私がそれに対して行っている行為が、まったく無駄なものに終わるのかもしれません。
しかし生きていれば、う~ん、生きているからこそ、
時には身を切るような思いで、決断しなくてはならないこともあるということです。
たとえ、何もかもを白紙に戻さなくてはならないような出来事があったとしても。
それでも、ジタバタすることなく、変に執着することなく、
「潔く覚悟を決めること」だと、このカードは伝えてきている気がします(3月14日現在の私へ)。
全てを無にする覚悟ができたなら、たとえ何があってもそれを受け容れ、
あとは芽吹くまで、辛抱強く、希望を抱いて真摯に生きることだと。
いつだって、ゼロから新しい自分を始められるのだから。
人生において、切り離すべき物事と決別すると決めて実行したら、
あとは、より優れた、より素晴らしいものへと変容すればよいのだから。
だからこそ、このカードを悪しきものだと言わないで欲しいのです。
むしろ黙って、時に容赦なく、優しくも厳しく、生と死と向き合い、
引き延ばしたり振り返ることなく、
自分の手で、未来の自分の人生を切り拓くことができるよう、
グッと背中を押してくれるカードなのではないのかなぁ?と、私は思うのです。
以前の私のように、自分を殺して中途半端に生きているような人には、
厳しいメッセージとなるかもしれません。
恋愛や仕事で、いつまでたってもそこにとどまる理由を探しては動かないでいる人に対して、
「不毛な時間を過ごすのもいい加減にしなさい!」
と勇気を出して行動することを促してくれるかもしれません。
もしくは
「迷うくらいなら潔くここで切り捨ててしまいなさい!」
と極端な選択を迫るかもしれません。
しかし、どちらにしてもここで終わりではないということです。
新しい未来のために、必要なことだからです。
またもや熱く語ってしまいましたが(笑)
人でも物事でも、上辺だけで判断してはダメですよね。
決断することから逃げているにもかかわらず、なかなか先へ進めないと苦しんでいることだって人間ありますから。
とにもかくにも
「死神=最悪や!」という、薄っぺらい鑑定は、今日でおしまいにしましょう。
人生(命)は、そんな簡単なものではありません。
私がご縁をいただいているカードたちは、そんな単純に決めつけられるものではない、ということです。
Just remember in the winter
Far beneath the bitter snows
Lies the seed that with the sun’s love
in the spring becomes the rose
私が大好きな Bette Midler(ベット・ミドラー) の
The Rose(ザ・ローズ)より。
この曲の歌詞の中に、
なんとなくこのカードの解釈に通じるものがあるなぁ・・・と思っていたら、
そうですよね、
死神の旗に描かれているのは、まぎれもなく『ザ・ローズ』でした。
※タロットの解釈に正解などありません。
あくまでも、私個人の考えであることをご了承ください。
No Comments
Be the first to start a conversation