ソードの5・私なりの見方
こんにちは。
なかなかタロットカードについてのお話が進んでおりませんでしたので、
今回はソードの5についての私なりの解釈のお話です。
同じソードの5でも、カードによっていろんな絵柄がありますので、
一概にこうだと断定できないのがタロットカードの良いところだと思っています。
ここに書いたことがすべてではありませんし、私も常に同じ解釈をするとは限りません。
隣り合うカードとの関係性もありますので、
とりあえず今見た捉え方での解釈である、とご承知おきください。
さて、ソードは四大要素で言うと「風」になります。
目には見えないけれど生きていくうえで重要なモノ(言葉・思い・空気など)。
見えないけれど人に影響を与えることができるもの。
剣は、人間が作り出した道具・武器。使い方ひとつで人を傷つけもする。
ソードの5
パッと絵柄を見ると、勝者と敗者のように見えます。
勝ち誇ったような(でも本当に正々堂々と戦ったのかしら?とも思える)表情を浮かべる手前に立っている男性。
彼に背を向けて去って行く者たちが手にしていたのであろう剣を手にしている。
去っていく者たちの胸中はどんなものなのだろう・・・
あきらめ?それとも憎しみ?嫌悪感?
双方の間をむなしく、しかし、どこ吹く風ともとれそうな、
乾いた風が吹き抜けて居そうなこのカード。
剣なだけに、目に見えて血は流れて居なくとも、
互いにきっとどこか、見えない傷を負って(負わせて)いるはず。
やけに自己主張してきた時の思い出
こんな風に見えたことがあります。
剣を手にした彼は、これからももっと共に戦いたかった。
しかし、彼の気持ちに賛同することなく、仲間は去っていった。
なぜ?どうして?後姿を困惑しながら眺める事しかできない。
自分はこんなに熱い思いを持っているのに。なぜ伝わらないのか?
なぜ武器を捨てて、自分に背を向けて去っていくのか?と。
吹き抜ける風と心の闇
だから、恋愛の問題でこのカードが出るとちょっと切なくなるのです。
きっと本人は相手のことがすごく好きだったのだと思います。
恋人というよりも同志というか・・・お互いに見えない傷で繋がっていたのかもしれないし、何かに向かって切磋琢磨していたのかもしれない。
相手ももしかしたら、主人公のことを好意的に見ていたかもしれないし、
どちらかというとお互いに好感触だったかもしれない。
そんな風に感じながら「きっとうまく行く!」と密かに期待していた矢先に、
急に相手からの連絡が途絶えてしまったら・・・
徐々に相手からの自分に対する態度が消極的なものに変わっていくのを感じたら・・・
相手の冷たさやそっけなさの裏に、自分のプライドが酷く傷つけられるような何かが存在していたとしたら・・・
もしも明らかな犯罪行為であったとするならば、きちんと法で裁かれるような対処をすれば良いのだろうけれど。
そうではない場合は、どこまでもやりきれない思いを抱えてしまう。
ソード(剣)が傷つけるものって、生身の身体じゃない。
身体についた傷は、その時は痛みや出血があったとしても、きれいに治るか傷跡が残るだけ。
心についた傷は、癒えなければいつまでも疼く。
本人にもその傷の大きさ・深さは分からない。
完治したかどうかもはっきりと自覚できるものではない・・・
誰にもその傷が見えないからこそ、
周囲の無理解や、他人との心の距離感に深く傷ついたり、
行き場を失った想いと、孤独や虚無感に苛まれてしまう。
自分でも扱いきれず、どうにもならないわだかまりは、
相手に対する憎しみや、誰かを攻撃する気持ちとなって、
どうにか浮かび上がってこようとする。
それにまた自分が苦しむ。
『私をこんな風にした相手が憎い』『でも本当はどうなのか分からない』
信じたい。でも憎い。
いろんなパターンがあるかもしれないけれど、
今、その人を想って苦しんでいるあなたがそこにいることは間違いない。
・・・残念だけど、それが真実。
苦しむのはやめた方が賢明。
相手はあなたが思うほど、今もあなたを想っているか?心配しているか?というと・・・もしかしたら保身ばかりに意識が向いているかもしれない。
どうか自分を責めないで。
そして誰も傷つけなくてよいのです。
剣は道具でもあり武器でもあるのだから。
それを知っているのなら、なおさら振り回すのはやめておくのが得策。
己の傷から向けられた刃は、新たな傷を生むだけ。
「こんなにあの人のことを想っていたのに」
「期待させておいて卑怯」
そうかもしれないけれど、相手を想うのも嫌いになるのも自分次第。
どこか見返りを期待していたのも自分。
そうならなくて悔しいのも自分。
しかしこのカードが出ているときは、
・・・まだ本当のことに気づいていない。
内面の葛藤や、消えそうで消せない、くすぶり続ける気持ちではなく、
目の前で起きている表面的なことにしか意識が向いていない。
『このままだと相手を憎みそうで怖い。どうしたら良い?』
どうしたらよいか・・・
そんな風に思い悩むことを止めたら良いだけです。
相手を好きになったこと、信じたこと、それは否定しなくても良いのです。
好きにならなきゃよかった、では傷が深まります。
人を好きになるのは自由だから。
そうであった過去は変えられないんだから。
きっと、
それによって自分ばかりが損してしまったような、本当の自分を認めたくないとか。
起きた出来事全て、思い返すと悔しくてどうにもならなくて落ち込んだりする今の自分がうっとうしくて嫌だったりするのでは?
引きずっているのは彼のことを心から愛している自分、というより
うまく行かなかった、自分の思い通りにならなかったことへの憤りだったり、
自分が犠牲にした時間や思い続けたことへの見返りがなかったことに対する怒りだったり、
良い人だと信じていたのに、人を見る目がなかったと認めたくない自分への想いだったりするのでは?
悲しさや悔しさ、寂しさは押さえつけるものではなく、
思う存分味わえばいいと思います。素直な気持ちを受け入れる。
それでも好きだと言えるなら、それでいいやと思う。
その人をどうこうしようとか、想う通りになるようにしたいとかではなく。
真実を知ったところで、もうこの問題が起きる前には巻き戻れないのだから。
相手のことを本当に愛しているのなら、
たとえ自分とご縁がなかったとしても、
別れたとしても、相手に他に好きな人ができたとしても、
この先もずっと幸せでいて欲しいと願いたい。私も幸せでいるから、と。
離れていても存在してくれていることにありがとうと思えたらそれで吉。
だって、私が愛した人だから。愛する人だから。
気持ちを切り替えればきっと、素敵な出逢いは直ぐそばにあるはず。
あなたがそうであるように、
どんなことがあっても自分と相手の幸せをそれぞれ純粋に願える誰かが、きっとあなたのそばに。
想いはカタチとなって目の前に現れます。
自分の内側にある剣に、自分自身が苦しむことのないように。
そんなことをソードの5は教えてくれている気がします。
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